データ・モデル駆動融合による先端的流体・気象制御調査研究会
Research committee on advanced fluid and weather control based on fusion of data- and model-driven approaches
研究会の担当分野と目的
複雑流動現象に対するフィードバック制御や観測値に基づく流れ場の 状態推定 の実現に向けて 主に以下の アプローチから 理論的・実験的に調査研究を行う
- データ・モデルに基づく流体・気象場の低次元モデルの構築と 低次元モデルに基づく 観測・制御:
- 固有直交分解,動的モード分解 クープマンモード分解や機械学習などのデータ駆動科学のアプローチや,平衡実現などの制御理論的アプローチについて調査・研究を行う.
- 流体・気象制御に適したモデル予測制御:
- 計算コストの削減のため,機械 学習によるモデル予測制御の近似や流体の構造を利用した低コストな適用手法について調査・研究を行う.
- アクチュエータ・センサ最適配置問題:
- 可制御・可観測グラミアンなど制御理論的な尺度とデータ駆動科学のアプローチを組み合わせた手法について調査・研究を行う.
- 能動的流体制御アクチュエータのモデル化:
- プラズマアクチュエータやシンセティックジェットアクチュエータなど,能動的流体制御 デバイス の制御原理や制御系設計のためのモデル化について調査・研究を行う.
- 気象制御のためのアクチュエータのモデル化:
- 熱源,抵抗体,水蒸気などを変化させるデバイスのモデル化について調査・研究を行う
複雑流体・気象現象の制御は,モデルが 偏微分方程式であることから,制御理論分野では研究が進んでいない対象であった.一方,流体・気象分野で固有直交分解と呼ばれる統計学的手法の一つである主成分分析により,実験や数値シミュレーションデータから支配的なモードを抽出し,得られたモードに基づく偏微分方程式の低次元化が行われてきた.近年では,データ駆動科学・機械学習の急速な発展により,動的モード分解,クープマンモード分解,深層学習を用いてデータから直接低次元モデルを得ることができるようになった.本調査研究会設置の目的は,このような流体・気象現象の低次元モデリング技術を積極的に援用した制御系設計や状態推定技術について調査・研究を行うことである.特に,制御への応用を念頭に入れ,流れ場・気象場の再構築にとどまらない制御に適した低次元化手法や,流体の低次元モデルに現れる特徴的な構造を抽出とその構造を有効に活用した制御手法を明らかにしたい.流体分野,気象分野,計測制御分野,データサイエンス分野の学際的な連携に基づき,最先端の流体・気象制御技術の構築を目指す.
本研究会は2022年-2023年に「低次元モデルに基づく先進的流体制御研究調査会」として,2024年から「データ・モデル駆動融合による先進的流体・気象制御調査研究会」として活動しています.
お知らせ
- 調査研究会参加希望の方は主査野々村まで(nonomura at nagoya-u.jp, at を @にしてください)ご連絡ください